屋根・重ね葺き・ガルテクト・見積書(平成29年)

 突然鳶職風の男が来て、お宅の屋根の棟の板が歪んでいる、といった感じのことを言ってきた。

 男が言うには、近くで作業をしていて、たまたま通りかかり、屋根の棟が歪んでいるのを見つけた、簡単に直せるので、今からちょっと屋根に登って無料で直しましょうか、とのこと。

 屋根修理の営業っぽいが、無料なら見るだけ見てもらおうと思い、ハシゴをかけて屋根に登らせ、また、自分もついでに登ってみた。男が写真をとっておきましょうか、と言うので、カメラを渡し、屋根の頂辺付近の写真をとってもらう。

 頂辺の棟の板金を上げてみると下の木が傷んでいた、このように簡単に木屑が取れました、と言って、男は木片を持ってきた。

 棟の板金が緩んで、そこから水が入り、木が傷んでいます、屋根を修理したほうが良い、今傷んでいるのは頂辺の棟だけだが、築20年以上経っているので今後他にも修理すべき箇所が出てくるかもしれない、そうすると何度も工事をすることになり大変だ、いっそのこと屋根全体を新しくしたほうがいい、お宅の屋根の素材にはアスベストが使われている、屋根を葺き替えるとアスベストの処理費が嵩んでしまう、ここは既存の屋根を残したままカバー工法で新たに屋根を被せたほうが良い、そうすれば屋根に水が入らなくなり、家全体の寿命も延るんです、と言う。

 屋根の面積、傾斜を測る。屋根の面積は32坪で、屋根の勾配は作業用の足場が必要な角度です、と言う。重ね葺きのガルテクトとかいうやつで、最初は220万円を提示してきた。何だかんだで1時間ぐらいゴタゴタして、男は、自分の日当を削って削って168万円でやりましょう、と言ってきた。

 屋根の材料の在庫の関係もあるので、今日決めないと168万円という価格では工事できない、二三日経ってから依頼された場合は175万円です、と言う。私は、屋根リフォームの相場など知らないし、修理が本当に必要かも自分の知識では良くわからないので、数日考えさせて欲しい、と何度も繰り返し述べ、やっとのことで男を帰した。

 次の日、男は一ヶ月有効な168万円の見積書を持ってきた。私は結局、私の兄が架空のリフォーム会社と親しくしていることにして、なんだかんだと理由をつけて断った。

 屋根面積32坪・足場必要・ガルテクト・重ね葺きで、168万円は高いのか安いのか。

小計 1683200円
備考1：単価はどれも材料費・工事費を含めたもの。
備考2：15年間の無償保証付き。