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1989年に出版された「おたくの本 (別冊宝島 104)」を読んだ。
内容は、くだらない話が多かった。
「執筆の仕事をもらったから、書くこと無いけど頑張ってページを埋めました」みたいな文章もいくつかある。
☆「おたく」は気持ち悪い人、異常な人、幼稚な人、犯罪者、恋愛や人生の敗北者として描かれている。
☆同調圧力、多様性排斥思想の香りあり。
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目次
INTRODUCTION
・おたくを知らずして90年代は語れない!
PART 1 おたくの現場
・ゲーマー超人伝説「異能戦士たちの聖戦!」ゲームセンターは前人未到の領域を目指すエリートたちの修験場だ!…[成沢大輔]
・アイドリアン「C級アイドルに人生を捧げた聖職者!」アイドルがヒトからモノになったとき、マニアが生まれた!…[古橋健二]
・アクション・バンダー「汚れなき無差別テロ!」NTTも警察も手玉にとるハッカーたちが集う謎の雑誌『ラジオライフ』!…[永江朗]
・カメラ小僧「パンチラと生写真に賭けた青春!」鉄壁のガードを破り、不可能な盗写に挑戦するスナイパーたち!…[永江朗]
・俺たちのデコチャリ「子どもたちの神殿!」恐竜的進化の末、走る機能を失った自転車こそ至上の美だ!…[松田融児]
・コミケット「世界最大のマンガの祭典!」十二万人を集め、億の金が動く同人誌即売会のインサイド・ストーリー!…[米沢嘉博]
・「僕が「おたく」の名付け親になった事情」「おたく」命名第一号の原稿を全文採録!…[中森明夫]
PART 2 おたくという第三の性
・ロリコン、二次コン、人形愛「架空の美少女に託された共同幻想!」…[土本亜理子]
・やおい族「美少年ホモマンガに群がる永遠の少女たち!」…[梨本敬法]
・「キラキラお目々の氾濫」…[藤田尚]
・「ロリコンとやおい族に未来はあるか!?」…[上野千鶴子]
PART 3 おたくという生き方
・「おたくに死す」殉教者・富沢雅彦へのレクイエム…[千野光郎]
・「アイドリアン日記」24時間フル回転のマニアック・ライフ
・「僕と右翼とプロレスおたく」…[岩上安身]
・「彼女にキーボードがついてたら」一人ひとりを「世界」の支配者にする、パソコンという魔術…[桝山寛]
・「おたく少年は学校ではどうしているのか?」現役中学教師が教育の現場で見た「おたく」…[河上亮一]
・「注目すべきおたくたちとの出会い」泉麻人、京本政樹ほか、おたく道を極めた先達のお宅訪問!…[みうらじゅん]
・「おたくの事件簿」大雪山謎のSOSから練馬警官刺殺まで、平成の世を騒がせた「おたく」たち!…[朝倉喬司]
PART 4 おたくと高度消費社会
・「おたくの「場」を読む!」雑誌投稿欄や伝言板に見る、おたくたちの裏のネットワークの磁力…[井筒三郎]
・「代々木駅らくがきコーナーの謎」
・「おたくの誕生」マニアはいかにして「おたく」になったか?…[小浜逸郎]
・「おたく産業は巨大なブラックマーケットだ!」…[河内秀俊]
・「高度消費社会に浮遊する天使たち」…[浅羽通明]
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39頁、古橋健二の記事、アイドル・マニアが見ている・住んでいる世界は、
「閉塞した現実から脱出しようとした二十年前の若者たちがバリケードの内側に見た世界と同じものなのではないか。」
53頁、永江朗の記事、
「 警察機構やNTT、軍隊といった国家と資本の合体した巨大なシステムを、ひとりの個人のほんのちょっとした知恵でほころびだらけにしてしまう熱意と快感は、もしかしたら二十年前の全共闘の快楽と似ているのかもしれない。あのときあったのは本当は革命への希望なんかじゃなくて、ただ目の前のシステムを右往左往慌てふためかせるゲームの快楽だったはずだ。」
58頁、永江朗の記事、
「 カメラ小僧の出現の背景として、投稿誌の誕生と、もうひとつ欠かせない要素にカメラの機能の発達と低価格化ということがあった。だれでも簡単に撮れて失敗のないバカポンカメラ(バカでもポンニチでも撮れる)が、子どもでも小遣いをためれば買えるようになった。」
136頁、上野千鶴子へのインタビュー、
「
――でも、セックスしない夫婦って、どこか変じゃないですか?
上野 なんで? セックスって本能だと思うの?
――違うんですか?
上野 男は放っておくと、たまってきて必ずやりたくなると思ってるの? 私は、性欲って文化的につくられてきたものだと思ってる。だからやらずにいれば低位安定するのよ(笑)。」
247頁、夏休み・冬休みだけ忙しくなって他の期間は暇になるのを避けるため、複数の印刷所が連合を組んで即売会を開催する。
「〜、規模の大きな即売会を印刷所が仕掛けようとすると一社ではサークルを集めきれず、七社連合とか、八社連合といった印刷所同士のつながりができ、この連合に入っていない印刷所で同人誌を作るサークルが締め出されたりということも生じてくる。参加を許可されてもブースの割り振りが不利だったり、連合に加わらない印刷所自体も搬入代、広告費、協力費といった名目で数十万円単位の費用を徴収されるといったこともあったらしい。
「〜、こうした連合だと印刷代も何社かが示し合わせて取り決めしちゃうなんてこともあった。〜」」
250頁、女性同人作家は「経済的に恵まれた子」が多い。
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題名:「別冊宝島104号 おたくの本」
執筆者:成沢大輔、古橋健二、永江朗、松田融児、米沢嘉博、中森明夫、土本亜理子、藤田尚、上野千鶴子、千野光郎、岩上安身、桝山寛、河上亮一、みうらじゅん、朝倉喬司、井筒三郎、小浜逸郎、河内秀俊、浅羽通明、梨本敬法
編集人:石井慎二
発行人:蓮見清一
発行所:JICC(ジック)出版局
印刷所:東京書籍印刷株式会社
1989年12月24日発行
1991年8月5日第15刷
1. 無題