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田岡大介氏が書いた『「空き巣」なう』を読んだ。この本には嘘が多い。
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書籍名:『「空き巣」なう ープロの空き巣が「この道半世紀」を語る』
著者名:田岡大介
出版社:第三書館
2013年2月25日初版
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【感想】
・この本には嘘・矛盾が多い。
・防犯に役立ちそうな情報は、殆ど載ってない。
・本書の最後は美談のように仕立ててあるが、本人のインタビューと全然違う。
・ただの空き巣自慢。駄作。
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【読書メモ】その1
2頁より引用
「 私は現在までの五十数年間、夜の忍びや日中の空き巣をしてきたが、自慢できることは、家人に発見されても、居直ったり危害を加えたりしたことは一度もなく、ひたすら逃走することを実践してきた。
悪事はするが、家人を傷つけたり殺害するような極悪非道な行為は、絶対にしてはならないと自分を戒めてきた。それが私の空き巣に対する心構えである。」
★本書2頁に書かれている「心構え」は嘘である。本書中だけで強盗未遂が3回、家人に捕まった仲間を助けるため、複数人で家人に向かっていくのが1回、大声を上げながら家人に向かっていったところ柔道技で投げ飛ばされたのが1回。強盗の失敗は、1回目は仲間の居眠り、2回目は大声で叫ばれてビビって逃走、3回目は店員しか居なかったコンビニの前に他の客の車が来てしまい断念。「空き巣に対する心構え」によって強盗をしなかったのではなく、単に度胸・根性・計画性・体力がなく強盗に失敗し続けただけ。
【読書メモ】その2
★本書の最後の方では、空き巣被害者の優しさに心を打たれたという話や、家人に取り押さえられてプライドを破壊されたという話が語られ、その結果空き巣から足を洗ったということになっている。ところが、別の媒体の本人インタビューでは、逃走中に鉄橋から落ち、重症を負ったのをキッカケに足を洗ったと述べている。本書のオチになっている美談は、編集者・出版社が「オチ」として作ったものだろう。
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「空き巣予防の実用書」と言えるような情報は殆ど書かれていない。2013年出版なのに、インターネット以下の情報しか載ってないのは問題。ネットの無い時代に出版されたとしても「実用的」と評価されることはなかったであろう情報量。
「嘘つきは泥棒の始まり」というが、本書に溢れる「嘘」を見ると、ナルホドと思う。
書籍名:「ワシントン特別給与 〜私はヘイズ議員のSEX秘書でした〜」
原題:「The Washington Fringe Benefit」
著者:エリザベス・レイ
翻訳者:津司麗(つじ れい)
出版社:勁文社
昭和51(西暦1976年)年8月20日初版
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ウェイン・ヘイズ(Wayne Hays)下院議員の愛人だったエリザベス・レイ(Elizabeth Ray、本名 Betty Lou Ray)による暴露本。この女性は、秘書業務・事務等を何もしないのに、公費で雇われていた。登場人物の名前は仮名だが、過去に彼女を雇っていた議員はおおよそ判っているようだ。
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本書に書かれている限りでは、彼女は計3人の議員に仕えた。最初の2人は、レイを政治的取引の材料として利用した。自分が提出する法案に協力してもらう見返りとして、あるいは、富豪から献金を受けるために、彼女の体を提供した。3人目のヘイズ議員だけは、彼女を自分の愛人にした。
18、19頁。エリザベス・レイは、政治的取引で活用されることによって、自分が「歴史を作っている」という感覚を抱いたらしい。
34頁、43頁。普段から体を使っていれば、男の誰かが助けてくれる。体を使って試験に合格。
45、46頁。体の対価は現金ではなく、相手の提供できる施術・権利などで受け取る。
56〜60頁。エリザベス・レイは最初の頃、下院の院内控え室・院内レストランへ雇い主の客人を案内する業務をやっていた。有力選挙民を空港まで出迎える仕事も。(この業務を通じて顔が売れると、抱きたいという者が現れ、彼女の雇い主との交渉が始まる。)
66、67頁。キャピトル・ヒルではオフィス・アワーにも何らかの懇親会が開かれており、こうした懇親会や議会の秘書室で開かれるパーティーを利用して、体を求めてレイの雇い主と取引する相手を探したり、体を使って権力に近づきたがる類の女を勧誘したりする。
68、69頁。CIAの手先と噂されていた女は、政治家と若い女のパーティに参加しつつも、「いやらしいことはいやだ」と言って途中で離脱する。
94頁〜。お金を出されて受け取ってしまったら、期待通りに接待しなければ面倒臭いことになる。
109、110頁。仕事を失うことが怖くて、性接待業務を断れない。
129〜146頁。美人コンテストは、お金と体を渡しただけでは勝てない。金も体も提供しなければ、さらに審査員の心証が悪くなる。
154頁。稼いでも稼いでも貯金がない売春婦。
166頁。有力議員の愛人は、働かなくても一般の事務職員より力を持っている。
180頁。カレッジに行くために政治家に体を売る議会関係の秘書(中国系)。
222頁。ワシントンで体を使う取引を行った場合、約束は守られる。ハリウッドで体を使っても、約束は守られない。
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書籍名:「全国学力テスト その功罪を問う」
著者名:志水宏吉(しみずこうきち)
出版社:岩波書店
2009年1月9日第1刷
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紙幅の都合上、データは少なめ。学力格差問題は、都市と田舎の学力格差の問題から、生活環境の安定した地域と不安定な地域の学力格差問題へ。教師を競争させても問題は解決しないのではないか、成績のいい学校に更に資金を与えるのではなく「しんどい学校」にこそ資金・人員を送り込むべきではないか、と問うている。
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本書によると、全国学力テストの実施を正当化する論理は、概ね4つあるらしい。
(1)実態把握
全国の学力水準・格差の実態を把握し、成果と課題を取り出す。
(2)教育評価
子供たちの学習の進歩を捉え、指導の改善に役立てる。
(3)説明責任
教育成果の中心的なものである学力の状況を、市民の目に見える形で伝える。
(4)競争主義
テスト結果をめぐる競争によって、全体の学力向上を図る。
競争主義的・新自由主義的な発想によって公立学校選択制を導入するのでなければ、毎年毎年、全員参加の学力テストを行う理由は無さそう。10年に1度、という意見に賛成。